安寧なんか欲しがりません

まだまだ、まだまだですよ~

シロイマケイヌ③

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シロイマケイヌ 第3回

ミカコは16歳の夏にレイプされた。

塾の帰りの出来事だったらしい。

詳しいことは知らないけれど。

付き合いだして一ヶ月くらい経って、それまでにも何度もキスを試みようとしてかわされていた僕はそのとき結構強引に責めてみたのだ。
女の子との付き合いの段階には時には強引というキーワードが必要なときもあるんじゃないかと、26歳(そのときはまだ25歳だったけど)でようやくわかりかけてきた僕としては、ここが勝負どころだ、という勘が閃いた瞬間だった。
閃いた筈なんだけど、そうは問屋が卸さなかった。(これはオヤジの口ぐせ)

ミカコはすぐそばにあったコーラの瓶で僕を殴ったのだ。手加減なしで。

左手の小指を骨折した。マジで。

一撃めは危ういところで僕の額を掠めた。

二撃めをふりおろそうとミカコはすごい形相で迫ってきた。

とっさに額を庇った左手にその一撃が来た。手加減なし。グシャッという音が聞こえたような気がする。

僕の絶叫。

ミカコ、はっとする表情。

小指が変な方向を向いている。

ミカコ、コーラの瓶を取り落とす。

その瓶が僕の足の爪先を直撃。

「ウッ…」


ミカコしゃがみこむ。

僕痛くて気を失いそう。

ミカコが僕の足元で小さくなって震えていた。

 
これは短いカット割りでそれぞれの表情のアップを静止画面で見せると効果的な臨場感のある映像になるかもしれない。

近くの診療所に駆け込んで応急処置をしてもらい、薬を待つ間にレイプのことを聞かされた。

それ以来の病的な潔癖症のことも。

ミカコはちょっと変だったな、無表情で。

僕は話の途中で止めさせて、ミカコ、オレのこと好き?って聞いたら、うん、と答えたので、オレもミカコのこと好きだよって言ったら、ミカコの

無表情が崩れて泣いた。


あれ以来レイプのことも潔癖症のこともそれ以上は聞いていない。

キスもセックスもできないんだよ、とミカコは言った。


いいよ、オナニーで済ませるから。僕は言った。

ミカコは真剣な表情でうん、と頷いた。


第4回へつづく


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