安寧なんか欲しがりません

まだまだ、まだまだですよ~

屋根の上のヴァイオリン弾き

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映画版「屋根の上のヴァイオリン弾き」でテヴィエを演じたトポリ。父のほうがハンサムだけどね。




屋根の上のヴァイオリン弾き」という映画をはじめてみたのは高校生の頃だったか(そういえば、ミモザは高校時代映画研究会副部長だったっけ)。

その後随分と経ってから結婚後に再びビデオで見たとき、主人公のテヴィエの人生がある男性を思い起こさせ、それ以来特別な映画になった。

その男性は韓国人で、戦争前まだ彼の幼い頃に家族とともに密入国のようなかたちで日本に渡ってきたらしい。

在日韓国人として差別と貧困の中での彼の人生と、祖国を持たない流浪の民ユダヤ人テヴィエの人生とが重なり合うように思えた。

3人の娘の結婚に際してのテヴィエのためらい、苦悩、諦めの表情を見るとき、彼にも3人の娘がいたこと、テヴィエ同様にそれぞれの結婚は決して彼の望むようなものではなかったことなど、人知れず映画の中のテヴィエと同じ表情の彼がいただろうと想像した。
そしてその度、テヴィエと同じように諦めがたい何ものかを押し込んでひたすら娘たちの幸福を祈ったのだろうと思う。
この男性とは私の父のことです。父はもう10年以上前に亡くなり、晩年の3年間は痴呆状態にあった。

私が自分の出自を遅まきながら意識し、ルーツとしての父の生い立ちについてもっと知りたい、聞かせてほしいと願った時には父は娘に語る言葉をなくしてしまっていた。

映画の中でテヴィエが「トラディション!」と叫ぶところでは、父は本当は子どもたちに民族の誇りについてもっと語りたかったのではないかと想像した。

アナテフカへの思いを哀歓込めて歌うシーンでは、還暦の祝いの席で父が古い友人と「誰か故郷を思わざる」を歌ったときのことを思い出した。
多分に私の勝手な思い込みによるところが多いのだろうが、時間が過ぎ、父の実像が薄れていくほどにテヴィエと父が近づいていくように思う。

そうそう気の強い妻を持っていたところもテヴィエに似ていた。

その気の強いテヴィエの妻、じゃなかった私の母は今年91歳。兄一家と、父が建てた京都の実家で息災にしてくれている。


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