安寧なんか欲しがりません

まだまだ、まだまだですよ~

「はじめまして」周辺こぼればなし。

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「はじめまして」という小説は、もう15年くらい前に書いたもの。
大学時代の友人マリリンの話を聞いて作ったもの。

マリリンの長女が不登校で、それに悩んで私に電話をしてきたことがある。
どこかいいお医者さんを知らないか、といったもの。
心療内科というのだろうか。

彼女がなぜ私にそういう相談をしてきたかといえば、当時私の長女がそういうたぐいのお医者様のお世話になっていたからである。
マリリンの長女はまた中学生で、私の長女は大学生だった。4歳くらいの年齢差だろうか。
私の長女も中学2年生で学校へ行けなくなった。以来数人のお医者様を渡り歩いた。
うちの場合は不登校は症状のひとつで、もっとも苦しんでいたのは拒食症だった。
中学2年で発症し、体重は3か月くらいで半分になった。
すぐに国立小児病院へ連れて行った。そこに1年間通院したが、今から思うにその1年間にもっと適切な治療、助言があればその後の経過はあんなにもひどいことにはならなかったのではないかと思ったりする。
高校生になり、高校は自宅からかなり離れた場所だったので学校の近くの精神科に変わった。
そこでもはかばかしい進展はなく、その症状を抱えたまま神戸の大学へ進み、大学の近くの心療内科に変わっていた。
ま、ここでは私の娘のことはちょっと横へ置いておいて。


そういう経験があったので、マリリンには、通ってみて合わなければ転院は早い時期に決断した方がいいよ、などのアドバイスをした記憶がある。


マリリンとの何回かの電話でのやり取りをするうちにこの小説の骨子を思い付いたというわけ。

使わせてもらったのは、マリリンの家庭環境、結婚の経緯。
学生時代にマリリンには恋人がいたこと。お寺の跡取り息子。
父親が弁護士であるマリリンは、結局は恋人と別れ、見合い結婚をした。見合い相手は大手ゼネコンの設計士であるとか。

私は、マリリンの力には大してなって上げることはできなかったが、なにか希望をそこに見出してほしくて、こんな小説にした。
とはいえ、ほとんどはマリリン家の実態とはかけ離れていて、私の妄想のお話ではある。

それでも、小説の着想のもとになったマリリン家のことは、折に触れ気に掛けていた。

15年というのは結構な時間である。

その間に、私の娘はどん底を味わい、そこから奇跡的と言ってもいい回復を遂げ、今は元気に働いている。恋人もいる。
この秋には35歳になる。遅れてきた青春を今謳歌しているようだ。

そして、マリリン家。

マリリン家の長女も長く苦しい青春時代を過ごし、今は立派に自立できている。この春結婚もされた。
15年間という時間はそういう変化を私たちにもたらした。

3年ほど前、単身赴任中だったご主人に異変が起こる。
若年性の認知症と診断された。63歳。

長女の結婚の直後、利用していたショートステイ施設での誤嚥事故で急死された。


やっと、ほっとされて、これから夫婦として充実すべき時間が待っていたことだろうにと思うと、マリリン家に起こったことは、痛ましい悲劇である。


ご主人は、薄れゆく意識の、まだまだらに鮮明なとき、ご自分の人生を振り返ってどのような思いに胸を満たされたのだろうか、と考えたりもするが、思い及ぶことではない。ご冥福を祈るだけである。

マリリンには、まだこれから時間が続く。
60歳になったばかりのマリリンに、次の物語を用意するとしたらそれはどんなものになるのかなぁ。

いやいや、それはマリリンが自分で編んで行けばいいことだね。

マリリンのこれからに幸多からんことを。



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